Ⅲ 検査からみた突然死の予知

 突然死の予知のためにいくつかの検査法が用いられるが,これらの中には,かなりの確からしさで高危険群が同定できると考えられるものがある.
今後,検査で同定された高危険群において,ICD治療により突然死が減少するかといった介入試験によって有用性が実証されることが待たれる.

 以下に突然死の原因として最も可能性の高い致死性不整脈の予知に用いられる臨床像および検査について述べる.突然死の予知に関して有用度の
評価については若干の議論もあるが,現時点での有用度をクラス別に記載した.各クラスの意味は,

クラスⅠ:有用性について見解が一致しているもの
クラスⅡa: やや議論があるものの,どちらかといえば肯定的に考えられているもの
クラスⅡb: やや議論があるもののどちらかといえば否定的に考えられているもの
クラスⅢ:有用性が否定的なもの

とし,クラスⅢについては原則記載しなかった.
1 臨床像 2 心電図 3 心拍変動(HRV) 4 Heart Rate Turbulence(HRT) 5 圧受容体感受性(BRS) 6 T-Wave Alternans(TWA) 7 遅延電位(LP) 8 心臓電気生理検査(EPS) 9 運動負荷試験 10 遺伝子検査
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心臓突然死の予知と予防法のガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Risks and Prevention of Sudden Cardiac Death(JCS 2010)