1 心停止(蘇生例)
 心停止は持続性心室頻拍または心室細動によるものが多く1),2),再発率は高く突然死の高危険群である.心停止の原因に心室頻脈が関与することは,ホルター心電図中の突然死例で心室頻拍またはVFが死因の80%以上を占めることからいえる3),9),124)-126).また,蘇生例における電気生理検査時にプログラム刺激によりしばしば(31~ 79%)持続性心室頻拍または心室細動が誘発され,これらの頻脈性の不整脈の基盤の存在を示している137)-139),231),232).基礎疾患を有し,かつ心機能の低下がみられるにもかかわらず,持続性心室頻拍や心室細動が誘発されない心停止例では,心停止の再発の危険はむしろ高いとされている233)-236)

 突然死の予防は二次予防となる.ICDが最も有効で治療の第一選択となる9),204).今後,心肺蘇生術の普及や自動体外式除細動器(AED)の普及によって心停止例の救命率は上昇すると考えられる.このような蘇生成功例でも,突然死の二次予防にはICDが適応となる234)-236)
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心臓突然死の予知と予防法のガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Risks and Prevention of Sudden Cardiac Death(JCS 2010)