LQTS関連遺伝子の異常として12(LQT1-12)報告されているが,このうち,LQT1,2,3の順に多く,この3型で大部分を占める187)-189).LQT1は遅延整流Kチャネルの遅いkineticを示すチャネル蛋白(Iks)のαサブユニットを,LQT2は遅延整流Kチャネルの速いkineticを示す(IKr)のαサブユニットをコードしている.LQT3はSCN5A遺伝子であるNa チャネルのαサブユニットをコードしている.LQT5とLQT6はKCNE1とKCNE2遺伝子で,遅延整流Kチャネルのβサブユニットをコードする.まれにAndersen症候群もQT延長を示し,KCNJ2遺伝子が内向き整流Kチャネル(IK1)をコードする.Jervell and Lange-Nielsen症候群は,LQT1とLQT5変異のホモ接合体による.遺伝子異常の頻度は,2000人に1 人とされるが,浸透率が低いため臨床的に症状を有するものの頻度はこれよりも低い190).