3 不整脈
 慢性心不全患者では原疾患にかかわらず,ホルター心電図で約60%に2連発以上の心室期外収縮を認め,非持続性心室頻拍の頻度はNYHAⅠ度では10%,Ⅳ度では70%に認められる274)

 左室駆出率が約30%の例を対象としたVal-HeFT試験270)や約25%の例を対照としたCHF-STAT試験272)では,心室期外収縮や非持続性心室頻拍は突然死の予測因子とはならなかった.一方,左室駆出率が平均20%以下の例を対象としたGESICA試験271)では非持続性心室頻拍が,PROMISE試験283)では頻発VPC(30個/時間以上)と非持続性心室頻拍のいずれもが,心機能とは独立した突然死の予測因子といえた.
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心臓突然死の予知と予防法のガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Risks and Prevention of Sudden Cardiac Death(JCS 2010)