1 徐脈性不整脈
 心臓突然死全体の10~ 20%を占めており3),9),10),124)-126),突然死は心静止,または徐脈依存性のQT延長によって誘発される多形性心室頻拍または心室細動による.洞不全症候群と房室ブロックが代表的な徐脈で,これらはペースメーカ植込み患者を二分している127)

 洞不全症候群では症状を説明できる心電図またはホルター心電図所見がない場合,特にオーバードライブ抑制試験が有用である128),129).房室ブロックではヒス束電位を記録してブロック部位を決定する.

 二束ブロックでHV時間の延長例では完全房室ブロックに移行する率は年2.3%であるが,HV時間が100msを超えると22か月で25%に完全房室ブロックが出現する130),131).二束ブロックでは心室不整脈による失神や突然死の頻度も高い132).HV間隔が100msec以上の場合,心房ぺーシングで150拍/分以下でHVブロックが出現する場合,アトロピンや抗不整脈薬を用いてヒス束以下の伝導遅延や途絶が誘発される場合は,完全房室ブロックに移行する可能性が高い133),134)
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心臓突然死の予知と予防法のガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Risks and Prevention of Sudden Cardiac Death(JCS 2010)